轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちぬられたかいとう

血ぬられた懐刀

国枝 史郎

「講談倶楽部」1928(昭和3)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,586 字 · 71 页

青空文庫

で、この境地はひそやかであった。

それと反対の趣をなして、明るい華やかな笑い声が、主殿の方から聞こえてきた。

「五右衛門」と常陸介は呼びかけた。

「ひとつ詳しく話してくれ、伏見はどんな様子なのだ」

「詳しく話せと云ったところで、これと云って詳しく話すところもないが。だがマア探っただけを話して見よう。……お前から依頼を受けたので、その足で直ぐに伏見へ行って、城中へ忍んだというものさ。秀吉め天下に敵がないというので、安心しきっているのだろう。城のかためなんか隙だらけだった。で、奥御殿へ行くことが出来た。それでもさすがに宿直の部屋には、仙石権兵衛だの薄田隼人だのが、肩や肘を張って詰めていたよ、しかしそいつの話と来ては、お話にも何にもならなかった。女の話ばかりしているのだからな。ところで秀吉はどうかといえば、例の淀君めを相手にして、これもやはりたわいないことを、話していたというものさ。と、声が聞こえてきた。

『……幸蔵主に胸を含ましておいた。大方うまくやるだろう。……そう心にかけないがよい。……実子は俺だって可愛いいからの……』

秀吉が淀君へ云ったのさ。すると淀めが笑い出したっけ。