轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちぬられたかいとう
血ぬられた懐刀
国枝 史郎
「講談倶楽部」1928(昭和3)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,586 字 · 71 页
…………を失うであろう。
そうして今やそういう異性が、奇形な建物の出入口の前へ、ひそかに姿を現わした。
他ならぬ不破小四郎であった。
出入口の前に扉がある。内部が厳重にとざされている。その前に立った小四郎は、四辺を憚ったひそやかな声で、
「姥はいるか、四塚の姥は!」
こう呼びかけて聞き耳を立てた。
光消えぬ矣簒奪星
と、扉の向こう側から、老婆の声が聞こえてきた。
「四塚の姥はこの妾で。……何かご用でもござりますかな?」
嘲笑っているような声である。
「俺はな、小四郎だ、不破小四郎だ」
「お声で大概判りますよ。小四郎様でござりましょうとも」
嘲笑っているような声である。
「姥か、お願いだ、扉をあけてくれ」
するといよいよ嘲笑いの声を、四塚の姥は扉の中で立てたが、
「これはこれは何を有仰るやら、聚楽第のお侍でありながら、聚楽第の掟をご存知ないそうな。この密房は男禁制、開けることではござりませぬよ」
「何を、莫迦な、そんなことぐらい、この小四郎が知らないものか。知っていればこそ頼むのだ。是非この扉をあけてくれ。そうしてお紅に逢わせてくれ。……お紅という娘はいるだろうな?」