轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
「冨士」講談社 1939(昭和14)年9月~12月中絶、「血煙天明陣」桃源社 1970(昭和45)年に付載して完結公刊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,970 字 · 176 页
たとえば、亡妻の黒髪を形見として肌身に附けている良人が、いつまでも亡妻の思い出から遁がれることが出来ず、日に日に憂欝になり衰弱して行くように。……薪左衛門が、過去の罪悪の形見の道了塚を附近に持ち、そこへ日参したということは、彼を憂欝にし彼を衰弱させたらしい。
「衰弱している私の所へ、博徒の頭、松戸の五郎蔵と成った勘兵衛が来て、私を威嚇したのじゃ、典膳よ、恥ずかしながら私は、その時以来今日まで発狂していてのう」
「又兵衛殿オーッ、私はその勘兵衛のために、嬲り殺しにかけられ、コ、このありさまにござりまする!」
「全身血達磨! どうしたことかと思ったに、勘兵衛めに嬲り殺し※(感嘆符疑問符、1-8-78) ……どこで? どうして?」
この時嘲笑うような声が聞こえて来た。
道了塚の縁起
「嬲り殺しには府中でかけた! 理由か? 強請りに来たからよ」
それは五郎蔵であった。林から抜けて、典膳の後を追って来た五郎蔵であった。年にも似ない逞ましい足をからげた衣裳の裾から現わし、抜き身をひっさげ、典膳の背後に立っていた。
「又兵衛!」と、五郎蔵は、典膳などには眼もくれず、はだかった襟から、胸毛の生えている肉厚の胸を覗かせ、鷲のような眼をヒタと塚の頂きの薪左衛門へ据え、呼ばわった。