轻松读懂日语经典作品
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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
「梶せつ子さんは、どっちかな」
「二人ともよ。そして、お好きなほうよ。どっちも私ですもの。先生。手を握りましょうか」
せつ子は膝をよせて、長平の手をとった。
「どう? 覚えてらッしゃる。おんなじ?」
「わからないね」
「じゃア、こう」
グッと力をこめてみせた。
「なるほど。それで、わかった」
せつ子は笑って、
「でも、先生。不安を感じませんでしたか」
「どうして?」
「私ね。あとで、男娼の手にすりかえさせようかと思ったんです。はじめの計画は、そうだったの。男娼はよろこぶわ。暗闇で先生に頬ずりしてよ。甜めるわよ」
「どうして、そんなことがしたいんです」
「ひどい方」
せつ子は媚をためて睨んだ。
「なぜ青木さんに変な名刺もたせてよこしたんです。イタズラッ児。もっと悪意にとったわ。でもね。イタズラッ児の仕業と思って我慢してあげたんです」
「悪意にとっても、かまわんのさ」
「先生は私を悪い女とお思いなんでしょうね」
「そうきめてかかれば、わざわざあなたを見物に来やしないさ」
「私は同情はキライなんです。そして、ジメジメした人情も」
「キライと好きは生涯ハッキリしませんよ」
せつ子は長平の手を両手でとって、グイとにじりよって、大胆に見つめた。