轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
青木は不キゲンな記代子の肩に手をあてて、慰め顔に、
「なア。記代子さんや。あなた、なぜ、昔の奥さんの店へぼくをつれこんだのさ。ぼくが、あなたをいじめたからかい。あなた、本当に、ぼくがいじめたと思っているの?」
記代子は答えなかった。
あまり沈黙が長いので、ふとその顔をみると、たしかに涙にぬれているのだ。夜の灯のせいではなかった。
青木は放二を思い描いた。それがこの少女の胸をいかに惑乱せしめているであろうか、と。いたましい思いがした。しばらく言葉をかけるのも控えていたが、
「なア。お嬢さんや。ぼくが毎日きまったように放二さんを誘うのはだね。あなたと放二さんが昔のようにむつまじい一対であれかしと願っているからだよ。あなた方は銀座でも人目をひく一対だった。そのような美術品をまもるのは側近の年寄の義務というものさ。ぼくの善意を素直にうけてくれなくちゃアいけませんよ」
「ひどいわ」
「なぜだろうな。ぼくには、あなたの云うことが分らないよ」
「放二さんは知ってるわ。だから、あなたが誘っても、ついてこないわ」
「なぜ、ついてこないの?」
「私にきらわれてること、知ってるから」