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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
人間はノドがかわくと、水をのむんだ。神様だって、そうなんだぜ。あんたは、ノドがかわいてもジッと我慢するだけじゃないか。それが、どうしたってのさ。え、オイ、規格品。しッかりしろよ。しみッたれるな。可愛がられるなよ。憎まれろよ。だからさ。オレが憎んでやるんだ。なア。あんたには、いくらか、わかるだろうな。オレの愛情というものがさ」
「自分だけ、偉いと思ってやがるな」
「チンピラはだまってろ。オレが偉いと思ってりゃア、こんな子供のところへ甘ったれに来やしないやね。天に向ってツバを吐いてるのだぜ。お前さんなんぞは、ツバは地に吐いてると思ってやがる。それしか知らねえのだからさ。お前なんかに可愛がられちゃ、人間はオシマイなのさ。ひもじいパンパンや学生かなんかに、オデンを一皿めぐんでやって、けっこう善事をはどこしたと満足してやがら。うすぎたないぜ、この町は。しみッたれた人情がしみついてるよ。軽蔑されたいとか、憎まれたいとか、肝心なことは忘れてやがる」
「でろ」
オヤジは店の外へまわってきて、青木を突きだした。
「そんなことしか、知らねえな。そうだろうと思っていたのさ。なア、おッさんや。