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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
お次は、パンパンと、ひッぱたくか。よかろう。やってもらいたいね」
「おのぞみかい」
四ツ五ツ往復ビンタをくらわせた。青木はせせら笑って、なぐられるままに、まかせていた。
オヤジはふりむいて、店へひッこんだ。青木は追わなかった。ふらふらと放二のアパートへあがりこみ、ルミ子の部屋の戸をたたいた。
「あけろ! 千円札が来たぞ! ここには、可愛いい女の子が住んでることを知ってるんだからね。千円札で目をさまし、千円札で扉があく。千円札が、来てるよ」
放二が来て、彼のうしろに立っていた。
「なんだい。あんたかい。ここは、あんたのくるところじゃないぜ。千円札のくるところだ」
「これをお忘れなんです」
放二は青木に帽子を渡した。そして立ち去った。
十一
翌朝、青木は見知らぬ部屋で目をさました。ねているのは、彼だけだった。どうしてこんなところに居るのだか思いだすことができないうちに、襖があいて、現れたのはルミ子であった。
「千円札、目がさめてる?」
「ここは、どこ?」
「私は誰?」
青木はようやく分ってきた。ルミ子の部屋には先客がいたのだ。彼はルミ子にみちびかれて、近所の宿屋へねかされたのである。