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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页

青空文庫

そして時々高笑いしていましたね。今日は自動車にひかれるところだったなんて仰有ってましたが、そんなことも有ったでしょうよ。あれじゃアね」

四

女友だちは四人しか分らなかった。

最初に訪ねた克子は、まだ海水浴から戻らなかった。往復している手紙からでは、克子が特に親しいようであった。

二人目の修子の住所は学校の寄宿舎だ。記代子は罹災して京都へ疎開し、そこの学校をでたから、友だちは京都の娘たちなのだ。学校は夏休みだから、修子は寄宿舎にいる筈がなかった。

「ひょッとすると、京都へ戻っているのかも知れない」

そう考えて、修子の本籍を調べようかと思いたったが、失踪の動機が、長平の上京を煙たがってのせいらしいと思われるのに、京都へ行くとは考えられない。

「京都なら安心だから」

そう結論して、京都はほッとくことにした。

三人目も京都。これも学生で、帰省中であった。

四人目の敏子はまだ勤め先から戻らなかった。文化住宅街の中でもやや目立つ洋館であるが、居住者の標札だけでも違った姓のが五ツ六ツ並んでいて、内部はアパートの入口のように乱雑だった。

敏子の母は神経質でイライラしていた。