轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页

青空文庫

彼はキッピイの言葉を一つずつ思い起した。彼女はこんなことを言ったのだ。「五人目の女が知っているかも知れない」と。

本当にそんな女がいるのだろうか? キッピイはその人を知っているのだろうか? 冗談めいたところもあった。

まさか、礼子のことではないだろう。しかし?……放二は一山のマッチを思いだして、キッピイの五人目の女が礼子のことではないにしても、彼女も何か知っているかも知れないと思った。ほかの人々が知らないような何かを。

放二は疲れきっていた。そして、疲れすぎると、尚さら寝つかれなくなる今日このごろを考えて、あるいは、死期とまではいかなくとも、再起不能の状態に近づいているのではないかと思われるのであった。

記代子の行方をさがしまわることは、さらに急速にその状態に近づくことを明確に示していたが、放二はむしろ捜しまわって疲れる方が楽だと思った。何もせずにジリジリ衰弱するのを見てわきまえている腹立たしさにくらべれば、何かのために物思うヒマもなく疲れる方が、かえって安らかなのだ。

放二は明け方になって、よく眠った。

おそく目をさまして、社へでる前に、キッピイの自宅を訪れてみようかと考えたが、一応報告を先にしようと思い直した。