轻松读懂日语经典作品
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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
私たちのせいで、兄さんがドタ靴はかされてるんじゃないわ。元兇がいるのよ。凄い女ギャングが」
九
「ドタ靴の元兇がね?」
「ええ。先生、知らない? その人」
「女ギャングをね。知らないな」
「婦人記者よ」
長平の胸は騒いだ。まさか記代子ではないだろう、と思い直したが、人生ばかりは、どこで何がどうモツレているか、見当がつかないものだ。
「なんて名の人だい」
「姓名は何てッたッけな。私、いちど、見かけただけ。三十一の大年増よ。背が高くって、姿はすばらしいわ。立派な服装してるわ」
「わかった。梶せつ子という人だろう」
「そう、そう。それ」
梶せつ子なら原稿依頼に来たことがある。はじめての時は、たしかに放二がつれてきたのである。つれてくる先に、放二の口添えがあって、恩人の娘だというようなことを言っていた。せつ子は「放二さん」となれなれしく呼んで、いかにも幼い時からの知りあいという風であったが、長平は人の私事をセンサクしないタチだから、そこまでしか知らなかった。
せつ子は家庭雑誌の記者で、長平の書く雑誌と性質がちがっていたから、一度は義理で書いたが、その後はことわることにしたため、自然せつ子の訪れも絶えていた。