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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
一目御挨拶いたしたいのですが」
「そうですね。ちょッとカゼをひいてねていますが、様子をきいて参りましょう」
ウスノロがすすんでカモになりたがっている様子だから、二度と記代子に会わせないつもりであったが、ワガママを言っているわけにいかない。にわかに記代子にムネをふくめて、今度彼女の店をだすについて十万円かしてくれと頼んであるから、お前からもよろしく頼むがよい、と、つれてきた。
しかし記代子は放二にたのむ気持はないから、ツッケンドンに、放二を見下して、
「私、あなたから、お金かりようなんて思わないのよ。どうせ梶さんのお金ひきだしてくるのでしょう。汚らわしいわ。ですが、エンゼルに貸すんでしたら、貸してあげなさい。きッとよ。貸しますね」
放二は赧らんでうなずいた。
「ぼくは、ただ、お役に立ってうれしいと思っているだけです」
「誰のお役にですか。エンゼルのよ。私はあなたにお役になんか立っていただきたいと思わないのよ」
「おッしゃる通りです。ぼくの言葉が、ぼくの耳にも、まるでお役に立つことを押しつけているようにきこえます。そんな気持ではないつもりなのですが、ぼくの本心が結局それぐらいでしかないのだろうと思います」