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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
長平は机上から一通の封書をもってきた。
「この速達は、今、きたところだよ。北川が重病でねこんだそうだ。死ぬかも知れないらしいね。ルミ子というパンパンが知らせてくれたんだよ」
青木は手紙を読んだ。簡単な文面だった。放二が病床について、四十度の熱がつゞいている。入院をすすめても、きいてくれない。入院の費用で困っているわけではなく、放二の頑固なのに困っているだけだが、入院して充分の手当をうけるようにすすめてくれないか、という依頼であった。
「ぼくは明朝上京するが、君は、ここにブラブラしていても、かまわないぜ」
「イヤ。ぼくも上京しよう。おもしろいことになりそうだ。君は主として北川君を見舞うらしいが、ぼくは記代子さんを見舞うとしよう。しかし、なア、長さんや。記代子さんが重病で放浪の旅から戻ってきてもビクともしないという心事も分るには分るが、北川君の病床には駈けつける。これも分るには分るが、一考を要するところだろうと思うね。アマノジャクでもあるし、理に偏してもいる」
長平の答えはなかった。青木はやや苦笑して、
「フン。よかろう。タヌキかトラか、ただのネズミか知らないが、オレは長さんの正体を見とどけるのがタノシミさ。