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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
車をのりつけた。
ルミ子の部屋へ一足はいると、
「まア、可愛いいこと! あなた、ルミ子さんね。こんなに清楚で、明るくッて、美しいお嬢さんが、こんなアパートにねえ! あなたは、ほんとに、サンドリヨンね」
長平には目もくれず、挨拶ぬきでルミ子をほめちぎったが、腹の中ではバカバカしくッて、ウンザリしているのである。
七
接客業の女というものは、交際なれているように思われがちだが、実際はアベコベである。彼女らが自由にふるまえるのは、自分の職域においてだけで、一歩出ると敵地の如く、特に同性との社交性を欠いている。女ということを売り物にしているのだから、同性に対しては、交際よりも、敵対感が先立つのはムリがない。
せつ子は彼女らを心服させるコツを心得ていた。彼女らには敵対感が尖鋭で余裕がないが、一段高く冷静にみると、甘さや盲点がよく分る。心服させるのはワケがない。
しかし、ルミ子は、ちがっていた。肩をそびやかして対するようなところもなく、狡猾な処世技術によって鋭角をかいているのでもないようであった。
「とても親切に看病して下さるんですッてね。放二さんが感謝していましたよ。