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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
「そう見えるんですか?」
「自信を持たなきゃダメよ。あなたは身に具った珍しい天分のある方だわ」
「そうですかア」
ルミ子はくすぐったそうにニコニコしていたが、やがて、哀願するように、
「そんなこと、おッしゃらないで。世間には、いろんな望みをもっていて、誰かがお金を貸してくれないかなア、なんて考えてる人がタクサンいますわ。ですけどね。私は、そうじゃないんです。ほかに望みがあって、誰かの力をかりたければ、こんなこと、していませんわ」
ルミ子の顔は平静であった。そして静かなる微笑にも変化はなかったが、語調がやゝ改まってきたようであった。
「私だって、人並みに、何かがやれるぐらいの自信はありますけどね。私は、やる気持がなくなっているのです」
ルミ子は自分の気持が改まっているのを羞じて、笑いだした。
「こんな話、よしましょう。面白い話、教えて。女の社長さんて、どんなお仕事なさるんですか。お仕事の話、きかせて。私もパンパンの話、きかせてあげるわ。私は商売の話、すきなんです。それしか知らないのですもの」
八
せつ子はいつまでもルミ子を相手にしていなかった。
「食事はどうしてらッしゃるの?」