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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
盲目的に。あの方は私のトリコなのよ」
あんまり自信に溢れているので、放二は目を疑ったが、青木は多くの物思いに混乱した。礼子はさらに生き生きと断言した。
「大庭さんは、もう、私から逃げることはできないのよ。クモの巣にかかったのです」
三
「あなたの梶せつ子さんは、どう? うまく、いってますか」
礼子が、かわって、青木を見下していた。青木が威勢を見せたときは、ありあり虚勢が見えすいていたが、礼子には、それがなかった。心底から落ちつきはらっているようである。
「そう。実は、そのことでね」
青木は素直にうけて、
「長平さんから百万ふんだくってやろうというのも、そのことなんだ。築港の金もいる。選挙費もいる。鉱山の経費もいる。これは開店休業中だがね。金のいることばッかりさ。とても一とまとめには出来ッこないから、まず金のなる木を植えようというわけさ。梶せつ子と共同事業をやる手筈なのだ。銀座裏にかりる店の交渉もついてる。階下が小さなバアで、二階が事務室さ。事務室では、出版とアチラ製品のヤミ売買などやる予定でね。実は、長平さんには、本の出版もさせてもらいたいと思ってるのさ。