轻松读懂日语经典作品
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まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
「呉竹しのぶ」
「ワア、面白れえ。よんでこいよ。あッちへ行こうか」
「いけません。私は面白くないんです。文士だのジャーナリストって、酔っ払うとダラシがなくッて、礼義知らずなのよ」
「オレとおんなじだなア」
「ダメですよ。こちら側へお座んなさいね。ききわけがなくッちゃ、いけないのよ。私のお酌で、お酒めしあがれ」
箱根まで迎えにきたカバン持ちが気をきかせて、ウイスキーをとりだす。
宇賀神は素直に座席をかえて、キゲンよくウイスキーをなめている。気まぐれな思いつきを言いたてるが、実際は言いたてるのが面白いだけで、やる気はない。神経は鋭利で、見かけと反対に、こまかく気のまわる男だから、無意味なツキアイは神経が疲れるばかりで、退屈しのぎにはならないのである。
宇賀神はウイスキーはちょッとでやめて、すぐ居眠りをはじめた。
午後四時に東京駅へつく。宇賀神は迎えの車でいずれへか立ち去り、せつ子も車をひろって、銀座の社へ六日ぶりに戻った。
せつ子が箱根へ行ったのと前後して、大庭長平が上京している。長平の出版は某社に独占されているが、せつ子は新しく自分がやるはずの出版社で、この出版権をそッくり握ってしまいたいのである。