轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まちはふるさと
街はふるさと
「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页
「大庭長平先生にお目にかかりたいのですが」
と当てずッぽうに言ってみると、
「大庭さんは茶室におすまいですよ。庭から廻って下さい」
やっぱり、そうだ。青木はホッと、目がくらんだが、こうまでして、なんのための努力だか、わけが分らない。長平が金を貸してくれるとは思っていないのだ。ただ、意地だ。なんの意地だか、それも分らない。長平は自分にからかわれていると思うかも知れないが、オレがオレをからかっているだけなのさ。待望の隠れ家をつきとめて、こみあげてくるのは絶望だけである。
しかし、青木は威勢よく庭をまわって、わざと窓から首を突ッこんで、
「ヤ。いる、いる。こんちは。長平さん」
「ヤ。君か」
「不意打ち、御容赦。天をかけ、地をくぐり、習い覚えた忍術が種切れになるところで、ようやく、つきとめました、ハイ」
「ま、あがりたまえ」
「なんでもないような顔をして、こまった人だね。歓迎はしていないかも知れないが、イマイマしいというお顔には見えないのだからな。意地のわるい人さ」
青木は部屋へあがって、しきりに汗をふきながら、
「初夏の汗だか、冷汗だか、分らないやね。ときに、ここが、東京の別荘ですか」