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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

「読売新聞 第二六三六七号~第二六五二〇号」1950(昭和25)年5月19日~10月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 页

青空文庫

「なんでも、いいや」

「妾宅かな」

「君にききたいと思っていたが」と、長平は好奇心にはずんだ顔で青木を見つめた。

「君と梶せつ子との関係は、金銭上のものだけかい。それとも、男女の関係もあるのかい?」

青木はせせら笑って、

「曰くあるらしき質問だね。聞き捨てならぬ語気ありと見ましたが、いかが?」

言葉はふざけているが、青木の目に真剣なものがこもった。

三

「君の神経は何製てんだろう。鉄筋コンクリート製かも知れないな。ねえ、長平さん。そうだろう。それで小説も書くんだからな。まんざらコンクリート出来でもないらしき、センサイなる悲劇をね」

青木は苦笑して、喋りづづけた。

「梶せつ子とオレの関係がどうだって? あんた、他の中へ石を投げて遊んでいるんじゃあるまいね。オレの身にもなってくれよ。石が当りゃ他の蛙は気絶ぐらいしまさあね。イヤ、そうでもないらしいぞ。あんた、薪割りで蛙をザックと斬ろうッてのか。ザックと」

青木の目が光った。しかし、やがて悲しげに目をふせて、苦笑をうかべて、

「イヤ、よそう。コンクリートを押してみたって、はじまらねえや。ときに、長平さん。