轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かっしょくのぐどう

褐色の求道

岡本 かの子

「宗教公論」1935(昭和10)年2、3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,065 字 · 14 页

青空文庫

伯林ウインター・ガルテンの下っ端の女優で半日はお裁縫に行き、夜は舞台で稼いで喰べているというのだ。見たところ、小柄ながらがっしりしてよく働きそうな独逸少女だった。

「どうですか、御様子は」

私は何となく遠廻しに斯んな言葉で尋ねた。

「いや、ヘッセの本はまだ買いません。この象徴的な東洋の文字の縦に書いてある鼠色の石碑に向って、あなたの教えた通り手を合せていると、何となく静かな気持ちになって感情がスポイルされます。それで此の間からこの女にも教えてやらせています。けれどもこの女は何とも無いと言うのです。この女が私にくっついて居るうちは私の印度入りは絶望です」

彼は女を顧みて苦笑した。

青年はレストーランに残って働き、私は彼の恋人の女優と同じ汽車で伯林へ帰った。汽車の中で、私は彼女に訊いた。

「あなたは何が望みなのですか」すると彼女は猶予もなく答えた。

「私は早く結婚して主婦になり度いと思って居ます。そして、もうそうそう方々を駆け廻らずに、家にいてじっと暮して、掃除だの、裁縫だのをし度いのです」