轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

せいこのしじん

西湖の屍人

海野 十三

「新青年」博文館、1932(昭和7)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,487 字 · 39 页

青空文庫

「そんなことは、どうして判るのかい」と私は、帆村が迷惑かも知れないと思ったが、率直に尋ねた。

「それには色々の理由がある」帆村は、やっと気がついたように、一本の紙巻煙草をぬきだして、口にくわえた。「まず、あの怪青年の顔だ。あんなに特徴のある立派な顔は、珍らしいと思う。あれで悄悴していなかったら、貴人の顔だよ。それから例の心霊実験会だ。遂に一語も吐かなかった怪青年と落付いて喋っていた曽我という男との間に、ほのかに感ぜられる特殊の関係、それにあの不思議な実験だ。また銀座裏で怪青年が僕になげつけた言葉は、戦慄なしに聴くことはできない。何か怖ろしいことが、現に発生している」

「君は、僕の嗅いだ目の醒めるような匂いのことも忘れちゃいないだろうネ」

「うん、あれは僕の想像に、裏書をしてくれるようなものだ」

「ボラギノールの薬壜は?」

「ボラギノールの薬壜? そいつは僕の眼前に見えるタッタ一本の縄だ、この一本の縄があるばかりに、僕はたちまち今日から何をなすべきかということを教えられている」

「それで何をしようというのだい」

「明日から当分、午前九時から午後一時まで、君はこの事務所へきて、僕の代りに留守番をしていてくれたまえ」