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とうろんにそくしてのかんそう
討論に即しての感想
宮本 百合子
新日本文学会第四回大会最終日に
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,896 字 · 29 页
インフレーションは勤労者の生活をおしつけていると同じように、民主主義文学における活動家、作家の生活をおしつけ、文学の発展を妨げています。一家を背負った民主主義作家が、生活のために自身の発展と生長のためにはむしろよくないほど原稿を書いてゆかねばならない場合は、至るところにあると思います。「暗い絵」の作者が、この二年ばかりどうしてあんなにどうどうめぐりをしていなければならなかったでしょう。「暗い絵」に示された課題の発展よりもむしろ課題そのものの枠内で、その壁の内側を手のひらでさわってぐるぐる廻っているような状態におかれたでしょう。一作毎にそこから脱皮してゆく足どりをしめさず、むしろ書きすぎたのは何故でしょう。もちろんそれはこの作家の生長過程で書ききる必然があったでしょう。しかし一方に、ジャーナリズムの要求がその作家の経済的必要に答えるということもありましょう。乱作で作家は生長しないのだから。そしてそれを理解しないこの作家ではないのだから。これは失礼な引例かもしれませんが、この作家の発展に期待することが大きいだけ私たち一般の市民的経済状態の悪さと、ジャーナリズムの商業主義――これも要するにインフレーションの結果だけれど――をしみじみ思うのです。