轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はなしのくずかご

話の屑籠

豊島 与志雄

在线阅读豊島 与志雄《話の屑籠(はなしのくずかご)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,252 字 · 11 页

青空文庫

「あたし、何ともない……。ちっとも、苦しくないわ……。どうしたの。え、どうしたんでしょう。まだなの。何ともないわ。」

肩を痙攣さして、胸を波打たして、必死で、本気で、泣きだしてしまったのである。

そこで、男は、はっとした。我に返ってみると、小瓶の中のは、劇薬ではなくて、一寸色をつけた普通の水で、女の心をためすための芝居だったのである。

何ともないといって女が泣きだそうとは、男の夢にも予期しなかったことで、お芝居どころか、その場の処置には、全く困りはてたという。

*

或る芸妓が、料亭から呼ばれて、早く来いというので、急いでかけつけてみると、奥の離れで、かねて懇意なお客と、も一人顔馴染のない男とが、しんみりと飲んでいた。何か密談でもの後らしい。

「少し賑かにやってくれ。」

云われるまでもなく、酒も好き、騒ぎも好き、口も達者……。

だが、そうして騒いでいるうちに、一方の初対面のお客、場所馴れてることは一目で分るが、話しの調子、言葉のふしぶし、どうも少し変だ。そう思うと、根が、遠慮のないそそっかしいのだから――。

「こちら、いやに抹香くさいわね。」