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はなしのたね
話の種
寺田 寅彦
「東京朝日新聞」1907(明治40)年9月~1908(明治41)年10月(不定期88回連載)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,082 字 · 64 页
発明者の考えでは、この法を印刷物に利用すれば、遠い異郷で毎朝出る新聞を同日同刻にそのまま見る事も出来るだろうとの事である。
(明治四十一年七月四日『東京朝日新聞』)
八十七
死産児の鑑定法
嬰児の死体を検してこれが果して本当に死んで後分娩されたかあるいは出産後死亡したかという事を容易に判別する新法が近頃仏国学士院の報告に発表された。その所説に拠れば、疑問の死体をX線で透して撮影すれば、もし本当の死産なれば体内の機関は一つも写らぬが、少しでも空気を呼吸したものなれば胃だけが現れる。またもし胃と腸とが写れば、その子は出生後一時間ないし十四時間生存していたものである。もし数日栄養をとらず生きていたのなれば胃腸の外に肺並びに肝臓が写る。また数日間食物で養われたものなれば内臓諸機関はいよいよ明らかで、なお腸部に発生する瓦斯のためこの部が特に明らかに写るとの事である。
(明治四十一年七月二十日『東京朝日新聞』)
八十八
科学者の不遇
科学者が世界の文明に貢献し自国の栄誉を高めつつあるにもかかわらず一般に不遇であるのは何処も同じと見える。