轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かたられざるてつがく
語られざる哲学
三木 清
在线阅读三木 清《語られざる哲学(かたられざるてつがく)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,023 字 · 42 页
文学や芸術の本は哲学史や哲学概論の書物によって置換えられた。その時分私の興味の中心従って読書の中心を占めていたのは心理学であって、あるときなどはまじめに心理学者になろうかなどと考えたことさえあった。心理学に対する私の興味はそれから後いまに至るまで続いて来ているのであって、高等学校を卒業する間際まで私が心理学を専攻するものだと思っていた人さえあったくらいである。
けれども曲げられたものはいつかは反撥して来るであろう。無理に絶縁されていた文学に対する私の愛は機会を得て猛然として甦って来た。そしてその機会を作ったものは実に哲学における私自身の能力についての懐疑であった。私は疑った、「おまえの能力ははたして哲学に匹敵し得るか。おまえの粗雑な頭脳は? おまえの綿密でない思索力は? それよりもおまえの中に燃えていておまえが押え切れない情熱は?」実際私の情熱は私が冷静を装おうとすればするほど裏切る力を増してゆくように感ぜられて、私を限りなく苦しいものにした。そしてその頃私は哲学者の最大の条件は冷静ということにあると考えていたようであった。哲学者となろうとする私が自分の中に燃え上る情熱を偽ることができない強さをもって感じたときの寂しさは、ちょうど若い尼僧がこれまで完全に征服してしまったと思っていた情熱を日も夜も感ぜずに