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いかにどくしょすべきか
読書と人生
三木 清
三木清『読書と人生』。同一底本的分册已合并为一书。收入:如何に読書すべきか、軽蔑された翻訳、書物の倫理、西田先生のことども、ハイデッゲル教授の想い出。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,486 字 · 57 页
時代の感覚に触れるために、また今日の問題が何処にあるかを知るために、ひとは新刊書に接しなければならぬ。新しい感覚をもち新しい問題をもって対するのでなければ古典も生きてこないであろう。すべて過去が活かされ、伝統が甦ってくるのは現在からである。古典を顧みないというのは固より悪いことであるが、新刊書を恐れるというのも正しくないことである。古典は安心して読むことができる本であるに対して、新刊書を読むことは一種の冒険である。しかし読書においても冒険するのでなければ得ることがないであろう。古典を偏愛して新刊書を嫌悪する者において読書は単に趣味的になる傾向があり、一種のディレッタンティズムに陥り易い。しかしまた新刊書ばかり漁って古典を顧みない者も他の種類のディレッタンティズムに陥る危険がある。読書にも年齢があり、老人は古典的なものを好み、青年は新しいものを求めるというのが普通である。青年が新刊書を喜ぶということはその知識欲の旺盛を示すものであって排斥すべきことではないが、しかしそこにはまた単なる好奇心の虜になる危険もあるのである。古典のために新刊書を軽蔑することなく、新刊書のために古典を忘却することのないようにするのが肝要である。