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どくしょへんれき
読書遍歴
三木 清
「文芸」1941(昭和16)年6月~12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,120 字 · 72 页
後に左右田博士の斡旋で『大西猪之介経済学全集』が出た時、私も求めて所蔵している。左右田先生は、私が大学院にいた頃、京都に講義に来られたことがあるが、その時初めて先生にお目にかかり、その学問に対する純粋な愛に深く打たれた。その後私はドイツに留学した時、リッケルト教授のゼミナールに出席し、左右田博士のリッケルト批評について報告したことがあるが、リッケルト教授も左右田博士も共に喜ばれた。そんなことから左右田先生とつながりができ、先生が亡くなられて後にも、先生の愛弟子であった本多謙三君と親しくしていたが、その本多君も前途を嘱目されつつ先年亡くなってしまったのは惜しいことである。ところがまた私は、やはり先生の愛弟子である杉村広蔵君の隣に住み、親しく交るようになったというのも、左右田先生につながる因縁であろうか。
九
京都大学の諸先生からはいずれもいろいろ影響を受けたが、中にも私が入学したのと同じ年に波多野精一先生が東京から宗教学の教授になって来られたのは、私にとって仕合わせなことであった。先生の名は『西洋哲学史要』、『スピノザ研究』、『キリスト教の起源』