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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页
王子は一生懸命にその尾にすがりつかれますと、尾だけがぬけ落ちて王子の手に残りました。あたりの小鳥は悲しい声で鳴き立てましたが、もう森の精ではなくて鳥になっていますので、その意味は王子にわかりませんでした。
王子はぼんやり立っていられますと、どこからか矢車草の花をつけた森の精が出て来まして、腕輪と黒い鳥の尾とを手にしていられる王子を、お城の中へ送り返してくれました。
その後、白樫の森はすっかり切り倒されて畑になり、城下には立派な町が出来ました。けれどもどうしたことか、月が毎晩曇って少しも晴れませんでした。そして次のような唄が、城下の子供達の間にはやり出しました。
お月様の中で、
尾のない鳥が、
金の輪をくうわえて、
お、お、落ちますよ、
お、お、あぶないよ。
月の光りが少しもさしませんので、国中の田畑の物はよく成長しませんでした。草木が大きくなるには露と月の光りとが大切なのです。国中は貧乏になり、人々は陰気になりました。それで王様も非常に困られて、位を王子に譲られました。
王子は、白樫の森の跡に、木を植えさして小さな森を作られ、その中に宮を建てて、千草姫からもらった腕輪と鳥の尾とを祭られました。