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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页
馬の黒い毛並みはなおつやつやとしてきて、以前にも増して立派になりました。
さあそうなると、村でも町でも大評判です。甚兵衛の馬が山のように材木を積んだ荷車をひいて、山坂を自由自在に駆け通して、五里の道を日に三度も往復するのを、皆眼を丸くして眺めました。中には甚兵衛に向かって、どうして馬がそう強くなったかとか、いくらでも金を出すから馬を売ってくれないかとか、いろんなことを言い出す者もありましたが、甚兵衛はただ笑って取り合いませんでした。
「天下一の黒馬だ。はいどうどう……」と甚兵衛は得意げに馬の手綱をさばきました。
そして元来なまけ者ののんきな甚兵衛も、馬を走らせるのがおもしろくなって、毎日材木を運びましたので、大変お金をもうけました。雪がひどく降る日なんかは、さすがに休もうと思いましたが、馬の方で休むことを承知しません。朝早くから馬小屋の中で跳ね上がったりいなないたりして、どんな天気の悪い日にも勇しく出かけて行きました。
ところが、二月の末に近づくにつれて、馬の腹がだんだん大きくなってきました。甚兵衛はびっくりして、その大きな腹を撫でてやったり、馬の病気に利くという山奥の隈笹を食べさせたりしましたが、何のかいもありませんでした。