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おつきさまのうた

豊島与志雄童話集

豊島 与志雄

豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页

青空文庫

もう寒さも疲れも感じませんでした。一散に家へ飛んでいきました。

「おじいさんおじいさん……猫がいたよ……あの大きな杉の木のところに……とてもきれいな猫ですよ」

おじいさんは、こたつから出てきました。

「ほう、なるほど、これは珍しい、きれいな猫だ」

太郎はマントも大黒帽も手袋もたびも、そこに放りだして、上がってきました。

「おじいさんの髭より、もっとまっ白でしょう 雪より白かったんだもの……」

おじいさんの胸までたれてる白髭より猫の尻尾の長い毛の方が、いっそう白くて光ってきれいでした。

「でも……どこの猫でしょう。うちにおいといて、いいかしら」

「そうさねえ、あんなところに、この雪の中にいたとすれば……ああこれは……おばあさんが、おまえに下すったのかもしれない」

「そうだ、きっとそうですよ」

猫は少しも恐がりませんでした。御飯を食べると、こたつの上へ座わりこんでお化粧をしています。名前がわからないので、白いから、かりにチロとよびますと、ニャーオ……と鳴いて、返事をします。

太郎は、チロを自分のそばから放しませんでした。夜もいっしょに寝てやりました。チロは、おとなしく太郎の腕を枕にして眠りました。