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ぶたきちとヒョロこ
豚吉とヒョロ子
三鳥山人
「九州日報」1926(大正15)年1~3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,498 字 · 111 页
しまいにはヒョロ子まで立ち上って、無茶先生のまわりをぐるぐるまわりながらヒョロリヒョロリと踊ってゆきます。大変な騒ぎです。
しかも一まわり歌が済む度毎に、無茶先生はお茶碗で一ぱい宛みんなにお酒を飲ませますので、酔っ払った人たちはなおのこと酔っ払って踊ります。そのうちにみんな疲れてヘトヘトになって、あっちへバタリ、こっちへバタリたおれて、とうとうみんな動けなくなってしまいまして、みんな虫の息で、
「もう、とてもお酒は飲めませぬ」
「踊りも踊れませぬ」
「早く死なないようにして下さい」
と頼みました。
その様子を見ると、無茶先生は歌をやめて、腹をかかえて笑い出しました。
「アハハハハ……面白かった。とうとうみんなおれに欺されて、動くことが出来なくなったな。それでは一つ死なないようにしてやろうか」
と云いながら、鞄の中から鉄槌を一つ取り出しました。
それを見ると豚吉は驚いて尋ねました。
「その鉄槌で何をなさるのですか」
「これでみんなの頭をたたき割って殺して終うのだ。いいか。一度死んでしまえば、今度はお前たちの望みどおりいつまでも死なないのだぞ。サア、覚悟しろ」
と云うや否や鉄槌をふり上げて睨みつけますと、酔っ払って動けなくなっていた宿屋の主人もお神さんも、番頭も女中も子供も一時に飛び起きて、