轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごうかばん
豪華版
宮本 百合子
「文学会議」第一輯、1947(昭和22)年4月30日号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,981 字 · 4 页
その声よりも稚い国民学校の子供たち、絵本のほしい子供たち、その子たちはアメリカの子供がたべても美味しいミカン、という奇妙な唱歌をうたって、アメリカから送られたきれいな本を三越の展覧会でごらんなさい、と教えられている。国民学校や中等学校は教科書が絶対に足らない。それは、そうなる。一冊三千五百円の教科書はないから。よしんば、親はその句集を買っても、子供の教科書は、人間の成長に入用な教科書だから、儲けがきまっているから、ない。文学の生活とその本の出版ということに、こういう現実はみんなかかわって来ている。
昔、北原白秋が羊皮にサファイアやルビーをちりばめた豪華版の詩集を出す広告をしたことがあった。実現したかしなかったのか知らない。白秋のロマンティシズムに、九州柳川の日が照って、桐の花がちりかかっていたように、その頃の、きれいな本をつくりたい心、そういうきれいな本をもってみたい心は、日本の出版企業の、かつて初々しかった昔の物語である。そして、それはまだ文化の問題に入っていたのである。〔一九四七年四月〕