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あかいえりまき
赤いえり巻き
小川 未明
「童話研究」1928(昭和3)年9月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,686 字 · 8 页
「私、赤いえり巻きなんか、いやになった。」と、お花はいいました。
「なぜ、きれいでいいじゃないか。それに、おまえの姉さんが、買ってくだきったのだから……。」と、家のものがいいますと、お花は、下を向いてだまっていました。
お花には、もうだいぶ、給金がたまったころであります。このごろは、都会の娘の持ちそうなものがほしくなったとみえて、白粉や、香油のびんなども、いつのまにか買ったものが、戸だなの中にかくしてありました。
ある、風の吹く日のこと、彼女は外から帰ると、ちがった水色の流行の長えり巻きをしていました。
「そんないいのを買ったのかい。赤いえり巻きはどうしたの?」と、奥さまは聞かれたのです。
彼女は、顔を赤くして、笑っていたが、
「汚したので、さおにかけておきましたら、とんびがさらっていってしまいました。」と、顔をあげて答えました。
「とんびが? あの赤いえり巻きをさらっていったの?」と、奥さまは笑われました。
「はい、昨日のお昼ごろ、さらっていったんです。」
みんなは、顔を見合って笑いました。
「ほんとうかい?」
「うそだろう……。いやになったから、捨ててしまったのだろう……。