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あかいろうそくとにんぎょ
赤いろうそくと人魚
小川 未明
「東京朝日新聞」1921(大正10)年2月16日~20日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,102 字 · 14 页
三
「私も、そう思います。しかし人間の子でなくても、なんと、やさしい、かわいらしい顔の女の子でありませんか。」と、おばあさんはいいました。
「いいとも、なんでもかまわない。神さまのお授けなさった子供だから、大事にして育てよう。きっと大きくなったら、りこうな、いい子になるにちがいない。」と、おじいさんも申しました。
その日から、二人は、その女の子を大事に育てました。大きくなるにつれて、黒目勝ちで、美しい頭髪の、肌の色のうす紅をした、おとなしいりこうな子となりました。
三
娘は、大きくなりましたけれど、姿が変わっているので、恥ずかしがって顔を外へ出しませんでした。けれど、一目その娘を見た人は、みんなびっくりするような美しい器量でありましたから、中にはどうかしてその娘を見たいと思って、ろうそくを買いにきたものもありました。
おじいさんや、おばあさんは、
「うちの娘は、内気で恥ずかしがりやだから、人さまの前には出ないのです。」といっていました。
奥の間でおじいさんは、せっせとろうそくを造っていました。娘は、自分の思いつきで、きれいな絵を描いたら、みんなが喜んで、ろうそくを買うだろうと思いましたから、そのことをおじいさんに話しますと、そんならおまえの好きな絵を、ためしにかいてみるがいいと答えました。