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あかいガラスのきゅうでん
赤いガラスの宮殿
小川 未明
「赤い鳥」1929(昭和4)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,930 字 · 10 页
いつになく、量をすごして酔ってしまうと、彼はごろりと横になって、眠ってしまったのです。
この村にいても、おもしろくないので、平三もいよいよ旅へ出かけたのでした。こわれかかったような、小さな汽車に乗って、野原の中を走っています。石くれがごろごろとして、短い草が風になびき、向こうの方には、さびしい丘がつづいていました。そのさきは、海になっているらしく、しろい雲が、ちぎれて飛んでいます。
ピョーと、汽笛が高くひびいて、汽車がとまると、彼はおりなければならなかった。
「ここは、どこだろう……。」
彼は、足の向くままに歩いてゆくと、
「どこへいくんだい。」と、ふいに声をかけた子供があった。ふり向くと、あの死んだ坊やでありました。
「おお、坊や。おまえは、こんなところにきているのか、母さんが、泣いていたぞ。そして、おまえは、死んだのではなかったのか。」
「まだ、たくさんあちらにいるよ。つれていってやろう。」
子供は、先にたって、平三を丘の上へ案内しました。いつしか、子供の姿は見えなくなって、彼は、赤いガラスでつくられた宮殿の前に立っていました。頭のとがった、三角形の赤いガラスの建物は傾斜した丘の上にあって、かたむいていました。