轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せきようかんじけんのしんそう
赤耀館事件の真相
海野 十三
「新青年」博文館、1929(昭和4)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,797 字 · 60 页
時には手をのばして蛍光板と壁との間にさし入れ、鉛筆でなにやら壁の上に印をつけているようでした。二十分もすると実験は一と先ず終了しました。黒い毛繻子のカーテンを、サッと開きますと、明るい光線がパッとさしこんで来たので、百合子は頭がくらくらしたので両眼を閉じました。やがて静かに眼を開いてみますと、壁の上に鉛筆で黒々といたずら書きのしてあるのに気がつきました。それは下手なデッサンを見るように、首から上のない人間の形のように見えました。
「赤星さん、それはなんでございますの?」といぶかしそうに百合子が訊ねかけたとき、表から尾形警部が入って来ました。
「どうだね、うまく出たかしら」
赤星探偵が黙って指した方を見た警部は、
「フーム」
と首をかしげて何か考えているようでしたが、
「こりゃ君、婦人じゃないか。それも、綾子夫人の身体と同じ位の大きさだ」
「お嬢様、亡くなった奥様の洋服を一着、借して頂きとう存じます」
と赤星探偵が言いました。
本館からとり寄せた綾子夫人の洋服を、この壁の上にしるし出された人型の上に重ねてみますと、正しくピタリと大きさが合うではありませんか。