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えっちゅうつるぎだけせんとうき

越中劍岳先登記

柴崎 芳太郎

「山岳 五の一」1910(明治43)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,078 字 · 7 页

青空文庫

所によれば、『富山日報』のみならず、同県下の新聞にも大概出でたる由にて、劍岳を劍山と、新聞屋の無法書きは、白峰を白根、八ヶ岳を八ヶ峰などという筆法と同じく、おかしく感ぜらるれど、ともかくも登山史上特筆する価値あれば、左に全文を掲ぐ(K、K、)

余は三十六年頃より三角点測量に従事して居ますが、去四月二十四日東京を発して当県に来る事となりました、劍山に登らんと企てましたのは七月の二日で、先ず芦峅村に赴き人夫を雇おうと致しましたが、古来誰あって登ったという事のない危険山ですから、如何に高い給料を出して遣るからといっても、生命あっての物種、給料には易えられぬといって応ずる者がありません、しかし是非とも同山に三角測量を設けざるべからざる必要があるというのは、今日既に立山には一等測量標を、大日山と大窓山には二等測量標を建設してありますけれども、これだけでは十分な測量が出来ませんからで、技術上是非劍山に二等測量標の建設を必要とするのであります、前年来屡次登攀を試みましたが毎時登る事が出来ず失敗に帰しましたが、そのために今日では同地方の地図は全く空虚になって居る