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ろじょう

路上

芥川 竜之介

午炮响后,图书馆陷入诡异的寂静,大学生俊助埋头书海,时间随着指针流逝,但这份平静下似乎藏着什么在悄悄酝酿。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,539 字 · 87 页

青空文庫

その一つは野村の手紙で、もう一つは帯封に乞高評の判がある『城』の今月号だった。

俊助は野村の手紙を披いた時、その半切を埋めているものは、多分父親の三回忌に関係した、家事上の紛紜か何かだろうと云う、朧げな予期を持っていた。ところがいくら読んで行っても、そう云う実際方面の消息はほとんど一句も見当らなかった。その代り郷土の自然だの生活だのの叙述が、到る所に美しい詠歎的な文字を並べていた。磯山の若葉の上には、もう夏らしい海雲が簇々と空に去来していると云う事、その雲の下に干してある珊瑚採取の絹糸の網が、眩く日に光っていると云う事、自分もいつか叔父の持ち船にでも乗せて貰って、深海の底から珊瑚の枝を曳き上げたいと思っていると云う事――すべてが哲学者と云うよりは、むしろ詩人にふさわしい熱情の表現とも云わるべき性質のものだった。

俊助にはこの絢爛たる文句の中に、現在の野村の心もちが髣髴出来るように感ぜられた。それは初子に対する純粋な愛が遍照している心もちだった。そこには優しい喜びがあった。あるいはかすかな吐息があった。あるいはまたややもすれば流れようとする涙があった。