轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みがわりのはなよめ

身代りの花嫁

野村 胡堂

「少女倶楽部」1934(昭和9)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,685 字 · 22 页

青空文庫

「お兄様達の乗った自動車に、円タクが衝突したんです」

「えッ」

「怪我はないですか」

大勢の人が小さい勇美子を取囲んで、質問の雨を浴びせかけました。

「詩子お姉様が」

勇美子は漸く息をつぎます。

「それは大変ッ」

「大したことはないんです、けれど、運転手は大怪我で、助からないかも知れないんですって」

「すぐ引返そう」

関谷夫妻と親しい友人達は、すぐ渋谷の春藤家へ車を走らせました。道々、勇美子の説明するのを聴くと、――花婿春藤良一と花嫁の詩子を乗せた自動車が、渋谷の春藤家を出ると間もなく、暗い路地の中から、待ち構えて居たように一台のボロ円タクが飛出して、花嫁の詩子の乗って居る側へ、全速力で叩き付けたのでした。

「詩子お姉様は横っ倒しになって、ガラスのかけらを浴びましたが、お兄様が庇ったので、手と足へほんの少しの傷をうけただけで済みましたワ」

「それから」

「後から来た車で運転手を病院に運び、詩子お姉様はお母様と家へ引返して手当をするんですって、皆さんに宜しくって言いましたワ」

思い出したように、勇美子はピョコリとお辞儀をしました。新郎の春藤良一の妹で遅生まれの十四、小学校の最上級に居る学校第一の人気者です。