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しんぺんうちあけのき
身辺打明けの記
宮本 百合子
「文章倶楽部」1927(昭和2)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,797 字 · 8 页
創作前後のこと
創作にとりかかると、そのことばかり頭にあって、前述のとおり、朝食後新聞も読まずに机にむかうという風で、そして、一つ創作が出来上らないうちに、他のものを書くというような器用なわざはわたしには不可能で、あちこちから三つ四つと一ぺんに頼まれても、一つ一つ順繰りに書き上げてゆくのです。
朝、ペンを執るとお茶も飲まず何もしないで一気に書きつづけます。それでも遅筆の方で、一日平均五枚ぐらいしか書けません。
執筆中、これという気になることもありませんが、ただ風の音は嫌いです。
書斎と原稿用紙
書斎の光線は薄暗いのが好きです。夏なぞ、わざと障子を閉め切ります。暑くて辛らいのですけれど……。
原稿用紙は、本郷松屋の四百字詰青罫のを用いております。ペンはGペン、一日一本です。
〔一九二七年十二月〕