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ぐんようそ
軍用鼠
海野 十三
「新青年」博文館、1937(昭和12)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,659 字 · 37 页
これなら籠の中で鼠が腸加答児をやっても大丈夫です」
「うむ、なるほど。これなら卓子の上も汚れずに済むというものじゃ。しかし随分部の厚い板を使ったものじゃ。勿体ないじゃないか。――ところできょうの員数は?――」
「員数はやはり二十匹です。きょうは員数外なしで、正確に籠の中には二十匹居ます。どうかお検べなすって」
「うむ二十匹か。――一イ二ウ三イ……。なるほど二十匹だよし、無税だ」
レッド老人は、恭々しく礼をいって、税関の小門から出ていった。そしてラチェットのところへ行って、鼠を二十八匹売った。籠の中にいたのは、確かに二十匹だったのに……。
これだけでは、謎を提供しただけである。謎を解いてないこの小説をここで切って出すなら、これは謎の解答を「懸賞」として、一等当選者に金一千円也、以下五等まで賞品多数、応募用紙は必ず本誌挿込みのハガキ使用のことということにすれば「新探偵」の購読者は急に二、三倍がたの増加を示すことになろう。しかし「新探偵」の編集者大空昇氏は編集上手ではあるが、商売上手ではないから、とてもそれほどの賞金を出さないであろう。
「懸賞」にすることを已むを得ず撤回して、右の小説の回答篇を後に接いで置こう――と作者梅野十伍は再びペンを取上げた。