轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぐんようそ

軍用鼠

海野 十三

「新青年」博文館、1937(昭和12)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,659 字 · 37 页

青空文庫

「莫迦を云え、親鼠が、わざわざ栓のかってある木箱の中に仔を生むものかい」

とワイトマンは相手にしなかった。

梅野十伍はこう書き終って大長息した。これで一と通りのフェアさをもって前篇の謎を解いた。しかし読者は、これだけの解決では、きっと満足しないだろうと思った。

実はまだ彼はこの作の本当のヤマというべきところを一筆も書いていないのであった。読者が怒らないうちに、すぐ後を続けなければならぬと思い、蒼惶としてまたペンを取上げた。

税関吏ワイトマンが、本部からの通牒を短波受信機で受取って、顔色蒼白となったのは、次の日の早朝のことだった。

「国境ヨリ 真珠ノ頸飾ノ密輸甚ダ盛ンナリ。此処数日間ニ密輸サレタル数量ハ時価ニシテ五十万るーぶりニ達ス。而シテ之レ皆貴関ヨリ密輸セラレタルコト判明セリ。急遽手配アレ」

なお三十分ばかりして、第二報の無線電信通牒が入った。

「密輸真珠ヲ検査ノ結果、げるとねる氏菌ヲ発見セリ。仍リテ鼠ノ所在スル附近ヲ厳重監視シ、可及的速カニ密輸方法ヲ取調ベ、本部宛報告スベシ」

ゲルトネル氏菌の登場、そして数十万ルーブリの真珠の頸飾の密輸。――犯人はレッド老人の外に心当りはない。