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のうそん
農村
宮本 百合子
「多喜二と百合子 七号~十三号」多喜二・百合子研究会、1954(昭和29)年12月~1955(昭和30)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,223 字 · 97 页
「お早うござりやす。昨日は、はあ家の餓鬼奴等が飛んでもないこといたしやったそうでなし、御わびに来ましただ。
と云う。漸くわけが分った。
「わざわざ来なくったっていいのに、どこの子供だって悪戯はするもの怒ってなんか居るものかね、お前子供を叱ったろう、ほんとうにかまいやしない、大丈夫だよ。
と云ってやると、女は気安そうに笑いをうかべながら、
「お前様、今朝ね、お繁婆さんが来やしてない町さ行くが買物はねえかってききながら昨日の事云いやしたのえ。一寸も知りましねえでない。御無礼致しやした。己ら家の餓鬼奴等も亦何っちゅうだっぺ、折角、ねんごろにきいてくれるにさあ石なげるたあ。此間だも――
と村校友達となぐり合を始めて相手に鼻血を出させたが、元はと云えばブランコの順番からで夜まで家へ帰されなかったと話して聞かせた。
「御免なして下さりませ、ほんに物の分らん児だちゅうたら。
「かまいやしないよ、子供の事だもの。
女中もいつの間にか後に立って、
「ほんに彼の児は気が強え児だかんない。
と云って居る。じきに女は帰って仕舞った。女中は湯を「金だらい」にあけながら、
「頂戴物が減るのを気づかって来やしたのし。