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とうめいねこ
透明猫
海野 十三
「少年読物」1948(昭和23)年6月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页
二人はホテルへとまった。
六さんはベッドの上で、青二に相談をかけた。どうだ青二も透明なものなら、透明猫の見世物よりも「透明人間あらわる」の方が、人がたくさん集まるから、青二が思い切って見世物になるようにすすめた。
「いやです。ぼくはいやです」
「ばかだねえ、お前さんは。こんなすばらしい儲け口は又とないよ。どうやすく見つもっても億円のけたのもうけ仕事だ。それをにがす法はない。さあ、透明人間でやってください」
下からおがまんばかりに、六さんはくどいた。しかし青二は、しょうちしなかった。
その夜はそのままとなり、次の日の朝が来た。青二はベッドから下りて背のびをしたが、ふと、となりのベッドを見ておどろいた。
なんということだろう。たしかに六さんと思われる人物が、そのベッドの上にねむっていたのであるが、顔も手足ももうろうとしていた。そして大きな二つの眼の玉だけが光っていた。六さんも透明人間になりつつあるらしい。
さわぎはその日に全市へひろがった。
それはあっちでもこっちでも、人間がかげがうすくなる事件、だんだんからだが消えて見えなくなってゆく事件が発生して、大さわぎとなった。