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とうめいねこ

透明猫

海野 十三

「少年読物」1948(昭和23)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页

青空文庫

「にゃーお」返事が、同じところからきこえた。

「あっ!」青二は、おどろきの声をあげて、その場にすくんでしまった。というわけは、彼はそのとき、草の上に二つの光るものがういているのを見つけたからである。

それはなんだか、えたいの知れないものだった。ただぴかぴかと光って、行儀よく二つがならんでいた。大きさはラムネのガラス玉を四つ五つあわせたぐらいあって、全体はうす青く、そしてまん中のところが黄色で、そのまた中心のところが黒かった。

(目玉のようだが、いったいなんだろう)

とたんに、また「にゃーおん」とあまえるような声がきこえた。たしかにその二つの玉のすぐそばから声が出たようである。

青二は、こわいはこわいが、その光った二つの正体を見きわめないではいられなかった。そこで、彼は勇気を出して、草むらの中へふみこむと、両手でその玉をぎゅっとつかもうと――。

「うわっ」青二は、いそいで手を引くと、その場にとびあがった。玉をつかむ前に、掌が、ごそごそとする毛のようなものにふれたからであった。

よっぽどそのへんでやめて、逃げだそうと思ったけれどもともと青二は、ものずきなたちだったから、ふみとどまった。