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とうめいねこ

透明猫

海野 十三

「少年読物」1948(昭和23)年6月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,223 字 · 21 页

青空文庫

こわいよりも、今や青二は、好奇心にわき立った。

青二は、そのあやしい猫のような動物を抱きあげた。たしかに猫ぐらいの重さが感じられた。青二は、それをしっかりと抱いて、道へ出た。そして、自分の家の方へ歩き出した。

その動物は、おとなしかった。もうなきはしなかった。青二のふところへ、もぐりこむようにして、からだをまげた。動物の温か味が青二の方へつたわって来た。

動物はねむり始めたらしい。

「いったいこれはなにかしらん。猫のたましいにしては、すこし変だし……」

青二には、このあやしい動物の正体を、はっきりいいあてることができなかった。

やがて青二は、家にかえりついた。

青二は「ただ今」といって、すぐ二階へあがった。青二は、途中で拾ってきたあやしい猫みたいな動物のことを、母親に話をしようかと思ったが、いやいやそうでない、そんなあやしいものを拾って来たことを、お母さんが知ったら、どんなにおどろくかしれない。そして早くそのようなものは捨てておしまいといわれるだろう。それではせっかくこわい目をして拾ってきたのに、つまらない事になってしまう。そう思って青二は、その怪しい動物を抱いたまますぐ二階の自分の部屋にあがってしまったのである。