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じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
丘浅次郎『進化と人生(上)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:人類の生存競争、教育と迷信、誤解せられたる生物学、人道の正体、生物学的の見方、生物学より見たる教育、戦争と平和、動物界における善と悪、脳髄の進化、民族の発展と理科、理想的団体生活。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 页
春のころ田や池の近傍を散歩すると水の中に蛙の卵がいっぱいにあるのを見るが、これだけの卵がみなかえって蛙になったら実におる場所があるまいと思われる。また魚類がみなはなはだ多数の卵を生むことはたれも知っていることで、鯛や鰈の煮肴を食うときに卵粒の多いのを見て今さらのごとくに驚くこともしばしばあるが、正月の儀式に用いるカズノコのごときも実は「ニシン」という魚の卵塊で、卵の粒の数が非常に多いから、それで子供の大勢生まれるように、一家のますます繁栄するようにとの意を形に現わして祝うのであろう。また昆虫の卵の多いことは蚕の種紙を見ても知れるが、野生の昆虫類もほぼこれと同じくらいの卵をおのおの木の葉の裏とか、幹の中とか、あるいは地面の下などのあまり目立たぬところに生みつけているのである。これらの動物はみなかようにたくさんの卵を生むが、幼時にほとんどみな死んで、生存するものはわずかに親と同数くらいで、ようやくその種属を維持し継続してゆくに足りるだけに過ぎない。
次に第二の部類、すなわち子を生んだのちにこれを保護する動物はいかなるものがあるかというに、やはり前と同じような下等動物の中に混じて種々ある。