轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じゃしゅうもん

邪宗門

芥川 竜之介

「東京日日新聞」1918(大正7)年10~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 40,184 字 · 79 页

青空文庫

」と、威丈高に罵りました。

所がその声がまだ終らない中に、西の廊からただ一人、悠然と庭へ御下りになった、尊げな御僧がございます。金襴の袈裟、水晶の念珠、それから白い双の眉毛――一目見ただけでも、天が下に功徳無量の名を轟かせた、横川の僧都だと申す事は疑おうようもございません。僧都は年こそとられましたが、たぶたぶと肥え太った体を徐に運びながら、摩利信乃法師の眼の前へ、おごそかに歩みを止めますと、

「こりゃ下郎。ただ今もその方が申す如く、この御堂供養の庭には、法界の竜象数を知らず並み居られるには相違ない。が、鼠に抛つにも器物を忌むの慣い、誰かその方如き下郎づれと、法力の高下を競わりょうぞ。さればその方は先ず己を恥じて、々この宝前を退散す可き分際ながら、推して神通を較べようなどは、近頃以て奇怪至極じゃ。思うにその方は何処かにて金剛邪禅の法を修した外道の沙門と心得る。じゃによって一つは三宝の霊験を示さんため、一つはその方の魔縁に惹かれて、無間地獄に堕ちようず衆生を救うてとらさんため、老衲自らその方と法験を較べに罷り出た。たといその方の幻術がよく鬼神を駆り使うとも、護法の加護ある老衲には一指を触るる事すらよも出来まい。