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よっぱらいぼし
酔っぱらい星
小川 未明
「赤い鳥」1920(大正9)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,116 字 · 9 页
ここばかりは、平生からだれがはいってもいいと聞いていましたので、佐吉は、おそるおそる入り口まで近寄ってその内をのぞいてみますと、そこには、子供や、大人がおおぜい集まっていました。いい音色のする音楽につれて、みんなは楽しそうに唄をうたっていました。そして、一本の脊の高い常磐木を中央に立てかけて、それには、金紙や、銀紙が結びつけてあり、また、いろいろの紅や、紫のおもちゃや、珍しい果物などがぶらさがっていました。
また、そのそばには、大きな袋を下げた、おじいさんの人形が立っていました。そのおじいさんは、どこからか雪の中をさまよってきたものと見えて、わらぐつをはいていました。そして、脊中には、真綿の白い雪がかかっていました。なんでもおじいさんは、灰色のはてしない野原の方から、宝物を持ってやってきて、この町の子供らを喜ばせようとするのでありました。佐吉は、そのとき、そのやさしそうな、おじいさんの顔をなつかしげに見たのですが、どこか、星の中にいるおじいさんの顔が、それに似ているようでありました。
また、これはあるときのことで、春であったと思います。佐吉は、一人家の外に遊んでいました。