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よっぱらいぼし

酔っぱらい星

小川 未明

「赤い鳥」1920(大正9)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,116 字 · 9 页

青空文庫

そして、いつものように高窓の破れから空を仰ぎますと、不思議にも、ちょうど、三角な帽子を頭にかぶったおじいさんが、よちよちと転びそうに、大空を上ってゆくのでありました。

霜が降るかと見えて、空は光っています。そして星明かりに青黒いガラスのようにさえた空は、すみからすみまでふき清められたごとく、下界の黒い木立の影も映るばかりでありました。

おじいさんは、一寸法師のように、だんだん高く、高く、目に見えないなわをたぐって上りましたが、酒に酔っていますので、右に転げ、左に転げそうにしていました。ふと、その拍子に頭に載せていた三角の帽子がおっこちました。帽子は、きらきらと小さな火の子のようにひらめいて下に落ちてきました。はっと思って佐吉は、すぐに床から起き上がろうとしましたが、また、明日いってみようと思いなおして、そのまま眠ってしまったのであります。

夜が明けてから、佐吉は、父親といっしょに、昨夜おじいさんにあった野原へいってみました。すると、ちょうどおじいさんの帽子の落ちたあたりに、銀色に光った三角の小さな石が一つ、真っ白な雪の上に落ちていました。

「これは珍しい石だ。