轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しゅうぶん

醜聞

山本 周五郎

「小説新潮」新潮社、1964(昭和39)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,900 字 · 46 页

青空文庫

結婚したころも美人とはいえなかったが、いまではもう醜いというほかはない。功兵衛は坐ったが、頭巾はぬがなかった。一ついかが、とさくらが盃を差し、功兵衛は頭を左右に振った。

「相変らずね、あれから八年もたったというのに、あなたは少しも変っちゃあいないわ」とさくらは云った、「ようござんす、あなたがいやだと云うんなら、あたしは勝手にやりますよ」

「要件を先に済ませよう、私にどうしろと云うんだ」

「金二十枚」さくらは右手の指を二本立て、左手で盃を呷った、「それであたしはこの土地を退散します」それからすぐに、二本の指を一本にした、「十両でもいいわ、本当なら五十両と云いたいところだけれど」

功兵衛は歯をくいしばった。彼女は侍の妻でありながら密通し、出奔した。そのために功兵衛はどれほど困難な、苦しい立場に立たされたか、矢沢はもちろん、実家の斧島がどんなに心を痛め、世間的に怯えたかわからない。その当人が戻って来て、本当なら五十金だが金二十枚よこせと、恥ずかしげもなく云うのである。けれども、功兵衛は怒りを抑えた。

「理由はなんだ」功兵衛が静かにきいた、「私がなぜおまえに金を払わなければならないんだ」